個人的感覚のもたらすもの

私は映画をあまり見ません。　映画館で見ることは年に数回。　テレビ放映やVIDEOを入れても年10本いかないと思います。　それゆえ、映画通を気取るわけでもないので、普通に面白いとされる映画は素直に感動します。　評判が悪い映画でもいいところを見つけて勝手に面白いと感じるようになっているようで、非常に便利です。　 が、こんな私でも「つまらない」と思う映画も存在するわけで・・・・。ある映画を見たのですが、それはそれは面白くなかったです。　あまりにもつまらないので眠りかけてしまったのですが、想像を絶するつまらなさに、「この映画はどうやって終わるのだろう？」と考えたら、逆に目が冴えてしまうという貴重な経験をしました。　結局、エンディングも意味不明で唖然としてしまい、その後、怒りがこみ上げて来ました。　　それをぶつけようにも、周囲にこんな映画を見ている人など存在せず、行き先のない怒りをどうしようかと考えたところ、インターネットの映画評論サイトなら私のこの気持ちをわかってくれるはずだと思い、検索して見ました。

検索してみるとたくさん映画評論サイトがありました。　で、センスが私と近いと思われるサイトを選び、適当な映画の評論を読んでいると、それ程私と感覚がズレていない。　この人ならあの映画をボロクソに評論しているだろうと思って、その映画の評論を読んでみると・・・・。　え?　絵?　what?　　これって絶賛してない？　なんかこの映画の凄さは簡単には伝わらないみたいなことを書いてる。　簡単にというより、全く伝わって来ないのだが・・・・。 この評論に驚いたので、今度は参加型の映画レビューサイトに行きました。　すると・・・・。 そこでも想像を絶することが起きていました。　そのサイトは10点満点で評価するのですが、その映画の平均点がなんと4.66なのです。　おいおい、4点台ってなんだよ。2点でも過大評価だと思うのに。　詳細を見てみると、その理由が解かりました。

・観にくいし、全然面白くないです。 2点（2004-02-25 20:12:22） ・何の話だよ 1点（2004-01-16 20:38:56） ・訳わかんない。怖くもない。金がもったいない。 2点（2004-01-02 23:37:24） ・カタツムリがはうところを２時間観察していた方がずっと楽しい。金払ったからしかたなく我慢して最後までみた。おれの２時間を返してくれ〜。 0点（2003-12-30 ・つまらない。　1点（2003-12-28 21:06:38） ・よくわからんかった…そんな私はだめなんでしょうか？？ 1点 ・糞映画ですね。 0点 ・頑張って理解しようとしたんですが、申し訳ないです。 0点（2003-05-10 22:13:49） ------------------------------------------------------------------------------------- こんな調子のレビューが続く一方で、全く逆のレビューを書いている方もいます。　その為、平均が上がるのです。　その人のコメントをみてあることに嫌でも気づきました。

・今、日本で、一番世界に誇れる監督でしょう。映像というものを本当に考えて作っているし、世界というか宇宙とかいうものを人間の側だけでとらえようとしていないし、それでいて自己完結していないのは、観客に委ねられている部分が多いからなのかなあ、と思います。 10点（2003-05-11 23:43:02） ・正直最高傑作とは言えないかもしれない。けれど、もっとも野心的な作品であることは間違いないと思う。とにかく、常に予測のつかないそのドラマツルギーとオフビート感は、やはり誰が何と言おうと凄い！　と感嘆の念を禁じ得ません。恐怖の質が、心理や生理に訴えるありがちなもんじゃなく、見る側の想像力や意識裡に刷り込んでくるあたりに、彼の”天才”を感じます。　10点（2003-05-21 14:45:04） ・これは当たりでした。写し出される映像を単なる現象として把握してしまうと理解が難しい映画かもしれません。まさに予定調和の大団円に辟易してる人向けです。 9点（2002-06-06 17:42:58） ------------------------------------------------------------------------------------- ようするに、凡人にはこの映画の良さがわからない、この映画を評価できる奴は”通”であると間接的にいいたいようです。

私は必殺ファンです。　中でも仕業人が好きです。　これから先必殺を取り巻く環境が変わり、見向きもされず、評価もされない作品になるかもしれません。　その時に、必殺を好きな理由として「必殺を評価できる奴は”通”」であるかのような振る舞いだけはやめようと思いました。　世間にまだまだ通じるものがあると信じているからこんなサイトをやっている訳だし。　　自分だけの自己完結ならサイトをやる必要はないし。 結局、何がいいたかったのかと言いますと、こんな意味不明なことを書いてしまう程、ある映画がつまらなかったのです。

2004/03/19　　TOP