___必殺仕置人 中村主水___ |
「この作品においては刀を抜くことはあまりなく「十手」によって鉄らを援護したり 知恵者の面においていろいろなアイデアを提供していた。 企業で言えば法律顧問、もしくは経営コンサルタント的立場にあったといえよう。」 〜必殺ポスター全集より〜 シリーズ紹介でも少し触れているのですが、仕置人の中村主水に対して、上記のような解説がしばしばございます。 ネット上のサイトでの仕置人の解説にも散見されます。 私はどうしてもこの意見に納得がいきませんでした。 私が仕置人を見たのは高校生のときで、今のような衛星放送は もちろん、LD,DVDなどは夢のまた夢。 ビデオデッキですらまだ高級品でありました。 そんな状況で、今にして思えば執念としかいいようがない行動力で見ることが出来た「必殺仕置人」。 その後も擦り切れる程みた仕置人なんですが、中村主水=経営コンサルタントという考えは全く思いつきませんでした。 とはいっても、必殺マニアの蒸留酒みたいな方が解説した「ポスター全集」にしろ、その他の方の意見が間違っているとも 思えないので、今一度「必殺仕置人」を観て、両方の意見をすりあわせるというか、検証して見たいと思います。
というわけで、検証してみたのですが、以外や以外。 なんと全26話中、11話しか殺しをしていません。 これは思ったより少なかったですね。 半分は殺していると思ったのですが。 これでは「経営コンサルタント」とまではいかないが、「刀よりも頭を使う」と言われても仕方がないような感じもします。 で、殺しのなかった15話回をさらに分析をしますと、 ・殺しが目的じゃなかった回(鉄も錠も殺しをしない) ・鉄の個人的なストーリー展開(錠も殺しなし) ・鉄と錠の旅先での出来事(江戸でお留守番) ・錠や鉄の仕事を遂行させるため、または逃走の手助けなどのバックアップに廻る(3回) ・理由は不明(3回) ・ターゲットが少ない(3回) ・仲間はずれにされる(1回) ・全く出番なし(2回) こんな感じになります。 ストーリー上、殺しがなくても仕方がないのが3回。 バックアップに廻るというのは仕置屋稼業や、 新必殺仕事人の2話などよくあります。 ターゲットが少ない場合は当然主水は出陣しないでしょうね。 全く出番がないというのは藤田氏のスケジュールに問題があったのでしょう。 こんな感じで消去していっても、消せないものも出てきます。 ターゲットが多く、鉄や錠だけでは厳しいというのに、なぜか殺しに参加しない場合もあったりします。 これはどんな意図があるのでしょうか? さらに5話から9話、12話から16話の「5話連続殺しなし」×2は非常にマイナスポイントであります。 こういうところに注目すれば、「仕置人の中村主水は・・・・・」という意見も的を射ていると思います。 が、が、が。 そんな意見を全く否定してしまいそうなのが、2話の薄笑いであったり、3話の地獄の奉行所宣言で あったり、キチガイ殿様斬りであったり、米倉破りであったり、床下二人同時串刺しであったり・・・・。 どこが「法律顧問」なんだーって突っ込みたくなるような行動です。 まあ結論は人それぞれだと思いますので、特にないのですが、「11話 流刑のかげに仕掛あり」は名作ですね。 仕置人達がいろいろ計画立てて、完全に裏を斯いたつもりだったのに、全く動じない鬼岩。 そんな鬼岩に「気持ちがいい」といって襲い掛かる鉄。 錠と鉄、二人を相手に互角以上に渡り合う鬼岩。 結構根に持つ性格だというのが分かった主水。 今回見直した中では、一番面白かったです。 (その前に見たとき一番面白かったのは「夜がキバむく一つ宿」でした) 2004/5/4 TOP |