沖雅也氏主役作品紹介
必殺仕置屋稼業16話「一筆啓上無法が見えた」
脚本/保利吉紀
監督/大熊邦也

超個人的独断評価:★★★
標的:久坂(菅貫太郎、)旗本たち(穂積隆信ほか)
頼み人:旗本に夫を殺された古泉堂の女将
市松のいでたち:ブルーのグラデーションの着流し
TOPIX:その辺にあった竹と瀬戸物のかけらで急拵えの竹串を作る市松


 今回は、市松が娘の仇討ちの助太刀をするナイト編。
お糸の父を斬って逐電した久坂は、旗本に匿われて藩のお偉方も手が出せない。
それをいいことに久坂は町人を困らせて旗本たちと放蕩三昧。
仇を討とうと国元から出てきたお糸姉弟は、藩からも見放され、今日の食べ物に
も事欠く始末。とても仇討ちどころではない。
 
背に腹は代えられないと、お糸は幼い弟の腹を満たすため、身を売って金を作ろうとする。しかし盛り場に佇んでも、なかなか男に声を掛けられず・・・
 たまたま声を掛けたのが、フラフラしていた市松。
事情を聞いて金を出そうとする市松だが、お糸を見咎めた久坂は仇討ちに加勢する助太刀と勘違い。お糸共々、市松を拉致する。
・・・ここまでが長い!市松登場まで25分近く掛かっている。市松主役と思いき
や、案外出番は少なかったんだなぁと実感。でも印象に残っているのは、
この後の市松らしからぬ振る舞いのせいか?

さて、主水らは旗本達に苛められた町人から仕置を依頼され、捨三は旗本屋敷へ。
そこで市松の異変を知る。
 久坂達は早速お糸をナブリものにするが、これを止めようと体を張る市松が
カッコイイ。
でも、刀を手首で受けたりして、切り落とされちゃうんじゃないか?フツウ。
そして、身も心もボロボロになって帰ってきたお糸を、市松は優しく抱きしめる。
「おめぇを独りじゃ死なせやしねぇ」
・・・すっかりナイト(騎士)やねぇ。

お糸に座興として仇討ちをさせようとする旗本達に、市松は助太刀を申し出て
許される。そしてまた旗本達が娘を手込めにしようとしたとき、
市松は・・・「許さねぇ!」
怒りに目が据わっている。怖いよぉ〜・・・けど綺麗。

ラスト、弟へ駆け寄るお糸に市松は小判を握らせる。そして抱き合う姉弟を
見届けた市松は、ひとり静かに去るのであった。