必殺仕業人解体新書

第10話「あんたこの宿命をどう思う」
脚本/村尾 昭
監督/蔵原惟繕
top 超個人的独断評価:★★★★★
標的:弥蔵(大滝秀治)とその一味
頼み人:伊平(伊吹新吾)
剣之介の家:焼け落ちた廃墟
やいとやの縁起担ぎ:神社へのお参り&おみくじ→大吉
仕業人なセリフ:「俺はハナっからお前を信用してなかった」by中村主水
TOPIX:新間借り人、千勢先生登場!

やいとや主役編&やいとやの過去編。のっけからやいとやの「仕事がないとイライラする」というセリフ。
捨三はそのセリフに驚くが、主水は全然驚かない。
殺しを生業とする者は当然とでもいいたげ。いいなあ、殺し屋を自覚しているひとたちは。
また、冒頭での牢屋のシーン。島送りになる親に会いに来た子供(太吉)に、それとなく会わせてやったりする。
主水のやさしさがみられるシーンもステキ。

さて、本編。やいとやが偶然知り合った男の子(これも太吉)は、なにかいわくありげで家に帰ろうとしない。
やいとやもその子を気に入ったようで、自分の家に連れ帰る。
そのころ太吉の父親伊平は牢で殺される。そして恨み=弥蔵殺しを主水に託す。早速仕事にかかるが、
やいとやは弥蔵と向かい合って驚愕する。なんと弥蔵はやいとやの育ての親だった。弥蔵を殺せないやいとや。

主水&剣之介はやいとやを裏切ったと判断し殺しにかかる。特に主水は、
「俺はもうちょっとシャバで楽がしたい、俺がいきるためにお前には死んでもらう」とメチャクチャ自己中心的な
セリフをはきながら太刀を抜く。

その時、太吉がアジトに訪ねてくる。そのスキをつき、アジトから逃げ出すやいとや。しかし今度は弥蔵達に詰め
寄られるが、主水達のことはしゃべらない。
これでやいとやは、弥蔵達から狙われることになるが、主水達は助けようとせず、「ここはヤツにかけてよう」と傍観する。
このピンチをまたもや太吉に救われる形になったやいとや。太吉は刃物傷を追ってしまった。

やいとやの腹は決まった。弥蔵殺しを主水に宣言し、「金はいらねえ」と仕事料を返すが、主水に人情が入りすぎだ
とたしなめられる。

自分を育ててくれた人間を殺すまでのやいとや心境の変化がストレートでいい。あのキザっぽさが微塵も感じられない。
この作品を観ているのと観ていないのではやいとやに関して少し違う印象をもつかと。