必殺仕業人解体新書

第13話「あんたこの神隠しどう思う」
脚本/野上龍雄
監督/工藤栄一
top  超個人的独断評価:★★★★
標的:祈とう師玄拓(山田吾一)とその愛人お眉(荒砂ゆき)
頼み人:玄拓に騙され身を滅ぼし病死した女性
剣之介の家:河原のほったて小屋
やいとやの縁起担ぎ:自分の映った鏡に「大吉」と書く
仕業人な言葉:玄拓の興した宗教名は「死のう教」

TOPIX:主水の千勢先生に対する行動は徐々にエスカレート。
今度は風呂のぞき。しかしまんざらでもない千勢先生

仕業人ファンの中でも評価が分かれる作品。やいとや主役編。ちなみに私は大好きな作品です。
内容はインチキ祈とう師とその愛人が、ひょんなことから貧乏長屋にすむおとよ(和田幾子)が100両を持っている
ことを知り、悪知恵を絞り100両を奪った上に、おとよとその母親まで惨殺するというストーリー。
その悪知恵とは、おとよの子供を誘拐し、おとよ親子を失意の上の自殺と見せかける。その殺し方がまたエグい。
石で撲殺したり、帯で首をつりあげたり。

これに、おとよの誘拐された子供を、そうとは知らず預かった剣之介たち、おとよ親子を含めた長屋の住人たちと
顔見知りであるやいとや。
牢屋で玄拓に一家を崩壊させられた女性から恨みを晴らしてくれと頼まれた中村主水ら仕業人が絡んで来る。

ファンの中で評価が分かれるのが、珍しく仕業人たちが私生活面での交流の描写。信頼されていると思っていた
長屋の住人に、あっさりと他人扱いされ、剣之介の小屋でやけ酒を飲んで大暴れ&泥酔するやいとや。
また、そこに「お前の不景気な面がみたくなった」といいながら、剣之助の小屋を仕事に関係なく訪れる主水。
いつもは仕事以外では交流することのない仕業人たちの、最初で最後の仕事以外での交流がみられるこの作品は
貴重である。ここが賛否両論となるところです。

ラストの主水の粋な計らい(残された子供を15年間子供の出来ない夫婦に育てるように仕向ける)もいいです。

そしてこの作品では、やいとやという人物がかなりよく描写されている。
鍼医者としてのプライド。採算を考えずに治療するやさしさ、玄拓に殴りかかるも、いいようにあしらわれる力のなさ。
やいとやの魅力が満載です。