必殺仕業人解体新書

第16話「あんたこの無法をどう思う」
脚本/野上龍雄
監督/松野宏軌
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超個人的独断評価:★★★★
標的:侍暴力集団「赤鞘(あかざや)組」
頼み人:おとみ(横山リエ)
剣之介の家:焼け落ちた廃墟
やいとやの縁起担ぎ:なし
仕業人なこと:人助けをしているようで、実は金目当ての剣之介と主水

この作品はストレートで、悪は圧倒的に悪い。で、強い。善人はどこまでいってもお人好しで弱い。
その間に「仕業人」。こういう話は個人的に好きです。
今回は人助けに本当に一生懸命になる、仕業人たちが描かれています。

刀持ちの侍で悪事を働く集団「赤鞘組」。
夜鷹を殺して富くじを奪ったり、船宿の後家さんを手込めにして店を奪おうとしたりやりたい放題。
夜鷹殺しを偶然に見たお徳は、「可哀想だから」という理由だけで「赤鞘組」殺しを依頼。頼み料は20両。
20両に仕業人一同、ぎょっとなるが、相手が悪いと言うことで見送り。

一方、ひょんなところからお徳と一緒に住むようになった剣之介とお歌。
やいとやは赤鞘組に食い物にされている船宿の後家:お梶に鍼を打っている関係で、
そこの船頭の幸吉と知り合いになる。
泥酔した幸吉の言葉に疑問を持ったやいとやは、主水に調べを依頼。
そして、お徳と幸吉が以前に10年前に入水心中を試みたことを突き止める。
お徳と幸吉とも、生き残ったのは自分だけと思い、
この10年間は無目的に生きてきた。この二人をまた引き合わせようとするのが「仕業人」たち。
剣之介と主水は完全に礼金目当てだが、お歌とやいとやは二人に感情移入してしまい、完全に手弁当のボランティア。
特にやいとやの優しさが目立つ。
そんな仕業人たちの行動により、あと一歩で幸せの再会となるところが、「赤鞘組」の介入により崩壊。
幸吉が斬られ、お徳も後を追って自害。

お徳の残した金を仕事料に、「赤鞘組」を仕置きにかける仕業人たち。うーん、かっこいい。