必殺仕業人解体新書
第23話「あんたこの女の性をどう思う」
脚本/安部徹郎
監督/渡辺祐介

top 超個人的独断評価:★★★★
標的:旗本・間部図書(川合伸旺)と妻雪(宇都宮雅代)、女衒の仙次郎
頼み人:直助(平野康)
剣之介の家:河原のほったて小屋
やいとやの縁起担ぎ:おみくじ帳の風向き
仕業人なこと:

TOPIX:女衒をやらせたらピカイチ!の峰岸徹

この作品は凄い。強烈な大人の世界を描いた作品。これを夕方再放送で流していたんでしょうか?ちょっとみたという記憶は残っていないんですが、家族で仲良くみられる話じゃないです。
「やいとや又右衛門、金を払って女を抱く、とんだお笑い草だ」とやいとやに言わしめるほど、なんともいえない魅力を持つ女郎、お絹。気になったやいとやは店が終わって帰る絹をつけると、なんと旗本の屋敷に消えていった。
その話をやいとやから聞いた主水はやいとやをバカにして大笑いだが、気になって仕方がない。結局しっかりヘソクリを握りしめてお絹のいる店にいこうとする。ああ、中村主水男盛り。

話題がずれたが、実はお絹、さる藩の奥方で本名は雪。主人が不能であり、そのために10日に一度、女郎になって男に身をまかせていた。そしてこれは主人である間部の了解済みというか、間部がやらせていたことであった。「夫婦には他人にわからぬことがある」と口にする間部。うーん、大人の世界。
その大人の世界に、子供が入り込んだことから、物語は意外な方向に。
間部屋敷の中間・直助は偶然に雪(お絹)のいる女郎部屋に入る。お互いに顔を見合わせてぎょっとするが、二人の秘密ということで、関係を持つ。以前から雪に想いを寄せていた直助。以前にも増して屋敷でも雪にやさしくされ、もう気分は有頂天というか、世界で一番幸せなのは私、状態。
一方、女郎のお絹としての雪には女衒の仙次郎がヒモとしてついていた。この峰岸徹扮する仙次郎とお絹の濡れ場がまた凄い。”言葉責めプレイ”だ。
それを偶然みていた直助が、大人の世界を理解できる分けなく、仙次郎の後をつけ斬りかかる。仙次郎に形勢を逆転されるが、そこに捨三が通りかかり、なんとか無事に。そして捨三は仙次郎殺しを引き受ける。
仙次郎殺しについて、仕業人グループが揉める。まず剣之介がそんな色恋沙汰のもつれで人は殺せないと言うが、やいとやは頼み人と悪人と金があれば仕事をやるという。そこで主水がこんな仕事で仲間が揉めることはないと捨三に仕事料を返しにいけと命じる。
一方、自分の世界に入ってしまった直助は、「奥方さまは私だけのものだ」「仙次郎はもうじき死にます」と完全にストーカー状態。こうなると雪は完全に醒めてしまい、夫の間部と一緒に直助の命を奪う。その状況に興奮したのか、その場で床に重なり合う二人。ああ、凄い描写だ。
この場面を直助に金を返しに来た捨三がみていて、そのまま直助の恨みをはらすことになる。

いやー、深い話だ。