・この作品の特色は主人公である柳次ははじめから元締ではなく、新参者であるという点が面白い。 墓守の多助を元締とする「橋掛人」グループがあり、松、おくら、新吉たちがメンバーである。 だが元締が何者かによって殺され、娘に預けた仏像から謎の地図が出現する。 娘は父の裏の顔を知り、娘もこの稼業をへと入っていくというのが導入部である。 であるから主役の柳次いわば助っ人のようなもので、主役でありながら。発端とはあまり関係なくスタートするというのも異色といえる。
必殺15(20)年の歩みより
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必殺ファンにはある意味非常に印象深い俳優、津川雅彦氏主演の13回シリーズです。 殺され役ではなくて、殺し屋での出演が決まったときは、念願が叶ってうれしいというようなコメントをいろんなところで見かけたものです。

さて内容はといいますと、オーソドックスに、丁寧に作っています。 仕切人、仕事人Xの反省なのか方向転換なのかわかりませんが、時代劇にふさわしくない脚本が姿を消しました。

全体のストーリーとして、元締が生前に依頼を受けた仕事を、残されたメンバーが手掛かりを探りながら成し遂げるという基本フォーマットは新しいです。 後期に頻繁に見られた被害者が死に際に「仕事人に・・・」っていうパターンからの脱却にもなっていますし。

裏の描写だけでなく、柳次と若妻と前妻の子供のやり取りなど、力を入れています。 

しかしなんかまとまり過ぎと言いますか、なんといいますか・・・。
全体的に地味な印象を受けてしまいます。

個人的には宅麻伸をあまりにもありきたりに使いすぎたのでは? という気がします。 市松みたいな殺人マシーンにするとか、180度変えてやいとやみたいにしてしまうとか。 そうすれば物語に幅が出来たのでは? そのあたりが残念ですね。

平均視聴率
関東 不明 関西 不明

キャスト

柳次(津川雅彦)
呉服を卸している商人。 かつて裏稼業の人間であったが、足を洗い、若い妻と前妻との子供の3人で暮らしている。 元締・多助の死により、裏稼業に復帰。 金糸で相手を絞殺する。

新吉(宅麻 伸)
鳥ハンター。
仕事人でいうと、「秀」系のキャラクター。 美形・クールという見た目そのままのなのは残念。 
鳥を捕らえるための吹き矢を使い、相手の急所をとらえる。

おくら(萬田久子)
女性ながら屋根職人。 職人気質あり。 瓦を鋭く研ぎ、相手に投げるける。 殺しには亭主の松も同行。 逆剣之介・お歌状態。

(斉藤清六)
屋根屋でおくらの亭主。 頼りがいがなさそうな人物だが、おくらはそんなところが気に入ってるようだ。

お光(西崎みどり)

尼。 父の死後、父が橋掛人であることに気づくが、父親の跡を継ぎ、依頼を受けていた仕事を完遂しようとする。

お紺高部知子
柳次の再婚の相手。 柳次に比べると若いが一生懸命に妻としての勤めを果たそうとしているが、前妻の娘、お咲が何かと茶々を入れてくるのでストレスが溜まっている。 

お咲安孫子里香
柳次と先妻との娘。 父親が大好きで、実の母親も好きなので、お紺に対していろいろと文句をつけるのが日課