・時代設定はもっとも現代に近く、慶応4年の品川宿を舞台に明治維新に揺れ動く時代のからくり人たちを描いた作品である。 この作品の元締は女性で、かつて「仕事屋稼業」で味のある芝居を披露してくれた草笛光子が再度起用された。 また、「仕置人」以来の山崎努も再度登場。 以前の念仏の鉄とはガラリと変わって、髭に長髪の薩摩男児という設定に鉄の面影はなく、さすがに役者・山崎努の演技力には敬服してしまう。
・この作品のみどころは、からくり人たちの行動もさることながら、官軍が江戸攻略のために西から攻め登ってくるという時代の緊張感も忘れられない。
必殺15(20)年の歩みより
・11回という短いシリーズであるため、回を重ねる度に官軍が江戸に近づき、最終回には江戸は陥落してしまう。 明治の声とともにからくり人たちの最後の叫び声を江戸の庶民は聞いたのである。
必殺ポスター全集より
・必殺シリーズの中で時代がもっとも現代に近く、鳥羽伏見の戦い後の揺れ動く幕末の動乱期に生きからくり人達を描いた。 元締には二度目の登場の草笛に加え、山崎努が鉄とはまったく違ったキャラクターに挑んだ。 
必殺大百科より
この作品はそもそも存在しないはずの作品で、実は新必殺仕置人の撮影が遅れたために急遽作られたという必殺の中で珍しい作品です。

本来なら新仕置人の撮影に入っているため、当然山崎氏のスケジュールを押さえてしまっている。 ところが菅井きん氏が娘の縁談を理由に中村せん役降板を申し入れ。 必死に説得に要する時間でこの血風編が生まれたということです。

ムードは幕末一色。 その荒廃のしたカラーが続くのはちょっと重いような感じが感じがしないでもない。 明るい話題がほとんどないような・・・。  白浜屋が女性の斡旋所でもあり、直次郎が女衒なのでストーリーは虐げられた女性がほとんど。
あまり時代劇という感じもしません。

土左ヱ門と直次郎の奇妙な友情とかそれなりに見所はあるのですが、どうしても全体の重くて暗いムードにひきづられてしまいます。

好き嫌いが分かれる作品だと思います。
平均視聴率
関東 9.0% 関西 14.5%

キャスト

白浜屋おりく(草笛光子)
からくり人の元締。 表稼業は品川で白浜屋という旅籠を経営する。

土左ヱ門(山崎努)
正体は薩摩藩の密偵。 命の恩人であるおりくの側に居ついているうちに、仲間になる。 おりくに惚れているようだが本気かどうか良く分からない。
匕首や銃器類を使う。

直次郎(浜畑賢吉)
女衒だが、女の立場をちゃんと理解している。 おりくに惚れているため、なにかと土左ヱ門に干渉する。
足の指で相手の喉を潰す。

新之介(ピーター)
寺小姓の色男。 特技はやはりというか、女装。 含み針を相手の急所に撃つ。

おいね(吉田日出子)
白浜屋の女中。 一応、情報係のようだが、鎌を持っている。