・三田村邦彦にとっても初主演ということもあり、いつになく元気な秀として生まれ変わった。 ゲストとしては過去に何度となく登場し、凄みを披露してくれた西郷輝彦がついにレギュラー入りをし、また同じくゲストキャラの中でも評判が高い秋野陽子、連続出演の笑福亭鶴瓶、そして後のトップアイドル:光GENJIの大沢樹生が出演していたというのも面白い。
・ この作品は秀が惚れた娘・若紫を身請けするために金を貯め。最後は強引にも救出するという内容で、その過程に登場する悪人を倒すというのが大体の筋である。 この設定はかの大人気ファミコンソフトであった「スーパーマリオブラザーズ」のマリオ(秀)がピーチ姫(若紫)を救出するために。クッパ大魔王(神楽坂の元締)と闘うという設定からのパロディと考えられる。
必殺15(20)年の歩みより
必殺ポスター全集 記載なし
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スーパーマリオ要素を取り入れたということなんですが、失敗ですね。 その要素といううのが 「敵が突然襲ってくる」とか別にスーパーマリオじゃなくても当たり前の描写なんですが・・・。
オープニングを読めば一目瞭然。 裏稼業同士の抗争ですから、相手としては敵方の主力である「秀」を襲うのは当たり前だし。 

オープニングの感じでは「からくり人」と似ている感じで、同業者同士の抗争なんですが、からくり人が「涙以外とは手を組まない」という正義の味方気取りに対して、秀は「惚れた花魁:若紫を身請けするため」に仕事をするという、実に男らしい動機。 私はこっちのほうが好きですね。 が、が、が。
それにはちゃんとクリアすべき条件があって、まず仕事人Wの「お民」ちゃんはどうしたのか。 
それをちゃんと決着してくれないと、いくら秀とは言え、気分的に乗れません。
なんせ仕事人Wとこの作品で、秀がいきなり180度設定・性格が変わってしまうのはいただけない。 お民が「病死」→荒れた生活→そんな時、おゆみに助けられる→おゆみに振られる→また自暴自棄(必殺!V)→おゆみ塔から突き落とされ死亡→仕事人復帰→実はおゆみと双子の妹だった「若紫」って感じの多少強引な設定でもないと、見ているほうはちょっと・・・。

主役の秀でさえ背景が描かれていないので、当然他のレギュラーも書き込み不足。 香車はイメージ的に槍というのは分かりますが、なぜお銀が桂馬なのか? 斜めに飛ぶのか?

流用BGMも今ひとつでしたし、スーパーマリオにスタッフ自身が困惑ぎみという感じがします。
平均視聴率
関東 不明 関西 不明

キャスト

(三田村邦彦)
飾り職人。 江戸では仕事人としてそうとう知られた存在に。
現在は元締:神楽坂配下にある。 惚れた女の身請けのために仕事を遂行する、実に目的意識のはっきりした仕事人。

香車の東吉(西郷輝彦)
浪人。 槍を使う仕事人。 これといって特徴とかあったようななかったような・・・。 女にもてたような気がします。

桂馬のお銀(秋野暢子)
中間さん。 なぜ桂馬? 狐目のお銀とかならわかりますが・・・。 
この人は特殊・不思議な役をやってもらいたかったですね。
ちょっとありきたり。 匕首で相手を仕留める。

高天原綾麻呂(笑福亭鶴瓶)
神主。 お銀に惚れているが、軽くいなされ相手にされない。
神社などに奉納されている宝剣で相手を斬る、罰当たり神主。

さぶ(大沢樹生)

神楽坂配下の情報係。 秀と元締の渡役を務める。 秀にホの字?

若紫菅原昌子
秀に惚れられているが、秀のことをどう思っているのかあまりはっきりしていない。 さすが花魁の鏡といいますか・・。 でも素のような感じ。

神楽坂宗右衛門睦五郎
秀たちを擁する仕事人グループの元締。 最終回でその正体が・・・。

向島仁十郎藤岡重慶
神楽坂と敵対する仕事人グループの元締。