・「アイツは信用ならねぇ」という感情を全面に出しながらそれでも同じ仕事をするという面白さ。 サブタイトルの「江戸プロフェッショナル」という言葉が示すように、彼らはプロだということである。
・主水が初めて種無しかぼちゃではなかったことを証明する事件が起きた。 りつの懐妊である。 だが、そのことは却って主水を苦しめる結果となった。 全てが生まれてくる子供のためという大義名分が罷りとおり、主水の人権などは微塵もなくなってしまう。 しかしそれは表の世界での主水であって、裏の世界の主水は、久しぶりのスーパーパワーぶりを発揮してくれている。
必殺20(15年)の歩みより
・あえて若い年齢層に人気のある出演者を出していない。 高年齢層にターゲットを絞っているため、話に余計な説明がなく、ある程度の人生経験がないと意味がわからない言い回しなどがあり、そもため会話がくどくならず自然で、話の流れがスムーズであった。 また殺し技も奇をてらっておらず、いかにもこの作品の出演者に相応しい、地味でそしてリアリティーのあるものであった。
必殺ポスター全集より
・今回はおせい・新次。主水・正八の商売人同志の間に絶えず起伏する”あいつらは信用できない”という思いの中で繰り広げられる殺し技の冴え。 心理的緊張感の中で見せてくれる殺し技は壮絶なる冴えを見せていた。
必殺大百科より
主水グループと新次&おせいの二つのグループが、互いを牽制しつつ、仕事をこなしていく。意思統一の図れた仕置人、主水がリーダー格である、仕留人、仕置屋、仕業人とは、描き方が異なる。

今一番見たいシリーズ。関東近郊では20年ぐらい再放送をしていないはずです。LD−BOXも出るとか出ないとかではっきりしません。CSに期待します。(一昨年放映)

必殺の完成形でもある、「新必殺仕置人」と、一大ブームを巻き起こした、次作「必殺仕事人」の間の作品ということで、割をくったので印象が薄いのか(まあ、仕方ない)、なかなか話題になることがない。
完成度としては、綺麗にまとまっている。テーマである「プロフェッショナル」、中村りつの懐妊とその結末は、初見の時のインパクトは絶大でした。是非、このシリーズは、参考文献等を読まないで見て欲しいです。
キャラクター紹介でも触れましたが、主水のパワーが全開なこの作品。後期必殺しかご覧になったことのない方は、是非ともご覧あれ。
平均視聴率
関東 14.6% 関西 17.2%
(明星デラックスTVSPより)

キャスト
中村主水(藤田まこと)
南町奉行所:定町廻同心。テーマ的にも完全に主役を張る。鉄を失い、裏稼業に本当の意味での理想を無くした主水。今回はその鬱憤を晴らすかのように大暴れ。太刀を抜き、相手をバッタバッタと斬りまくる。「桃太郎主水」とでもいいましょうか。

新次(梅宮辰夫)
男前の髪結い。サブタイトル、江戸プロフェッショナルの示す通り、主水と対比となる一方の仕事師。言動が玄人で主水との会話もひと味違う。

おせい(草笛光子)
舞の師匠。主水と組んだ最初の女仕事師。華麗な立ち回りで観るものを魅了する。新次とは、裏稼業抜きでも男女の関係を超えた、大人の関係にある。中学生の時に初めてこの作品を見た私には理解できず。

正八(火野正平)
今度は足踏み式マッサージ師&灯台番で情報係を担当。主水と新次&おせいの中を取り持つのも大事な仕事。新仕置人に続いていい加減パワー爆発!

中村せん&中村りつ
りつがついに懐妊。中村家のテーマが子供一色になる。