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・主水シリーズではない「必殺」の中で最高傑作といえば、間違いなくこれを選ぶ。
・この作品では過去のシリーズに登場した腕っ節の強い怪僧というのは存在せず、半兵衛も政吉も素手ではかなり弱い。 だが、そのいつもビクビクの状態でも殺るというスリリングな感じが画面を通しても伝わってきたあたりがこの作品の凄いところである。
・二つの問題が起きた、半兵衛の殺しに理髪組合からクレーム。ネット変換により13話までTBS、14話よりテレビ朝日で放映。放映日時が土曜10時から金曜10時へ。
必殺20(15年)の歩みより |
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・シリーズ初の女元締めの登場も話題となる。
・これは裏稼業を一種の賭け事としてとらえ、博打の持つスリリングな感覚を見事に生かした作品である。
・必殺シリーズの主人公としては腕っ節が弱い。殺し方にしてもいわゆるプロフェッショナルな技術を持っていない。 しかし、それらが全てがよかった。 そういった悪条件を博打うちの勘と度胸で補っているからである。・
必殺ポスター全集より |
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・殺しありギャンブルあり、そして半兵衛の幼友達である岡っ引きの源五郎が「半ちゃん」と言い寄ってくるオカマ役も忘れ難い。
必殺大百科より |
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この作品の完成度は間違いなく必殺史上NO.1でしょう。非主水シリーズということで、特に関東では再放送の機会がなく、数年の前のテレビ東京での再放送で観られた方が多いのではないでしょうか?
基本的に殺し屋は二人。決して派手ではない殺し技。かといって不満は全くない。いかに脚本が大切であるかを痛感させてくれます。
また、BGMの素晴らしさも作品の魅力を支えます。特に躍動感のある殺しのBGMは秀逸。
そしてこの作品のもう一つ且つ最大の魅力、「交錯する愛情」とでもいいましょうか・・・。
おせいの息子に対する愛情、政吉の母に対する愛情。
半兵衛のお春に対する愛情、お春の半兵衛に対する愛情。
半兵衛と政吉の友情、源五郎の半兵衛に対する気持ち、利助のおせいに対する愛情。おまきと政吉の愛情。
登場人物が織りなす愛情劇がある時は明るく、ある時は悲しくきちんととぎれることなく描かれています。そして作品終盤、お春の懐妊により、その関係に微妙な変化が起こります。
政吉と半兵衛のすれ違い、お春と半兵衛のすれ違い。物語は加速度的に終末に向かって進みます。この辺りで観るのが辛くなって来るんですが・・・・。
そして物語は終末を迎えます。 「人殺し」を生業とする者の因果と簡単に表現するはイヤになるほどの衝撃的な結末が待っているのですが、とにかく言葉で表現するのは不可能。
しかし最終回シリーズだけみても、その魅力がどれだけ伝わるかも疑問。出来れば全話みて欲しいです。
第1話からの伏線がこれほどまでに昇華した作品はあとにも先にもこの作品だけです。
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平均視聴率
関東 16.4% 関西 22.4%
(明星デラックスTVSPより)
キャスト
そば屋店主:半兵衛(緒方拳)
そば屋の店主であるが、まるで髪結いの亭主ごとく仕事はしない。ほとんど賭事が仕事となっている。良き妻、良き裏稼業の相棒、良き幼なじみに囲まれ楽しい日常生活を送っている。
相手を仕留める武器はカミソリを使う。「そば」や「そば粉」は使わない。
政吉(林隆三)
これまた賭事が仕事の殺し屋。はたから観ると良き裏稼業の相棒、良き愛人(政吉は独身なのでこの表現は不適当だが、恋人でもないし・・)に囲まれて楽しそうな生活を送っている。が、本人は結構不満があるようで、よく愛人の飲み屋で愚痴をこぼしている。殺し道具は母の残した匕首。
飛脚問屋「嶋屋」女主人:おせい(草笛光子)
亡き夫の残した資産でほぼ趣味のような感じで「仕事屋稼業」を営む。お金持ち特有のわがまま、子供っぽさの一面を持つ一方で、自ら標的を始末する行動力も併せ持つ。
おせいの配下の情報係:利助(岡本信人)
嶋屋の番頭でもある。土蔵を破らせたら大江戸ベスト50入り確実。
半兵衛の妻:お春(中尾ミエ)
働かない主人に代わって店を切り盛りする。
半兵衛の幼なじみ:源五郎
半兵衛への報われない愛を貫く、岡っ引き。
政吉の愛人:おまき(芹 明日香)
色っぽさ必殺史上NO.1、刹那さ必殺史上NO.1。私生活も投影されているような演技は圧巻。そのためエンディングのキャスティングからも消えてしまっている。
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