・前作必殺仕事人のスペシャル版であった「恐怖の大仕事」で既にファンの前にはお披露目済みの坂東京山を主役に久しぶりの13回シリーズの登場である。
・ここ数本は男の世界を描き続けてきた必殺ではあるが、ここで華やかな女性路線を全面に押し出し、男は添え物の役回りとなった。 踊りのシーンなどもふんだんに挿入し、意識的に番組を華やかなものししようとした。
・また必殺初出演の高橋悦史が演じた晋松もこの番組の華麗さとは裏腹の残忍なプロの殺し屋として魅力があった。
必殺15(20)年の歩みより
・演じている京マチ子自身大柄なためか、殺陣が豪快であり迫力がある。武器のかんざしも力強い感じを与えた。
・女の人にまつわる事件を中心とした設定であるが、恨みというよりも悲しみといった事件が多い。 恨みという言葉が持つドロドロとした部分はあまり現れず主に、「女であるために背負っている宿命的な悲しみ」が題材になっている。
必殺ポスター全集より
・鎌倉の尼寺・本然寺。 この寺の善行尼はかけこみ寺の精神で、世の中の悪を京山に命を出し退治させている。 表向きは民謡手踊りの座長だが、かんざしを使っての殺し屋である。 佐渡で知り合った晋松、やくざ志願の直次郎とともに旅に出る。 だが、その座長の裏の稼業を一座の娘たちは何も知らない。 だが、おはなという一座の踊り子に気付かれるが、京山は娘のように思い、掟を破ってでも生かす道をとった。
必殺大百科より
平均視聴率
関東 16.1% 関西 23.2%
明星デラックスTVSPより

キャスト

坂東京山(京マチ子)
旅回り一座の座長。 が、その裏の顔は・・・。という非主水系シリーズの定型を踏んではいるが、初登場が仕事人という、ちょっと変わった過去があります。 武器はかんざし。

晋松(高橋悦史)
安定感抜群の殺し屋。 迫力もあり、非常に頼もしい。  殺し技は非常にわかりにくい、仕込みゼンマイ。最初、京山と共通の敵を持っていた。
最終回は見事な最期かと思われたが・・・。

直次郎(本田博太郎)
こちらは安定に欠け、非常に緊張する殺しを見せてくれる若者。 泥臭いが気のいい人物である。
殺し技は居合いとはいいがたい、居合い抜き一閃。

おはな(西崎みどり)
売れっ子の踊り子。 京山たちの仕事の現場をみてしまったが、当然のごとく、殺されずに仲間になる。

善行尼(原泉)
京山一座の元締。