・この作品での見所は安藤広重が描いた絵をもとに江戸から京までを旅しながら宿場の悪党を退治するという、今でいうトラベルものである。 またその広重の絵に登場する悪人も誰を指しているのかがはっきりとせず、そのあたりの謎解き要素も多分にあるため、ミステリーも加わり、あたかも「土曜ワイド劇場」のトラベル・ミステリーばりの展開とスリリングさがあった。
必殺15(20)年の歩みより
・頼み人が安藤広重で殺し屋が高野長英といった実在上の人物を主人公にしているなどのユニークさが見られる。前作からくり人同様、歴史の謎に主人公たちが関わるといったはなしではあるが、広重の絵を題材にするという発想は非常に斬新であるといえる。
・ストーリー展開における今までにない特徴は、頼み人を探したりする必要がないため、専ら仕事を仕上げるまでの過程を描いていることである。
必殺ポスター全集より
・天保の改革の混乱期を舞台に、広重は東海道の宿場町での悪人どもの極悪非道の数々を十三枚の錦絵にしたためたのである。 広重はお艶率いる天保太夫一座の正体はからくり人と見抜き、絵と金子百三十両を手渡した。 江戸・日本橋から京都・三条大橋までの東海道十三の宿場の悪人退治へと旅立つのである。
必殺大百科より
平均視聴率
関東 14.8% 関西 20.0%
明星デラックスTVSPより

キャスト

泣き節お艶(山田五十鈴)
天保太夫一座の座長。 一応、からくり人の元締でもあるらしい。
武器はバチです。

蘭兵衛(近藤正臣)
正体は高野長英。 幕府のお尋ね者。 一座に加わりからくり人に。
仕込みの杖により、相手を斬る。

火吹きのブラ平(芦屋雁之助)
表向きは火を噴く芸人だが、裏では火を人に向かって吹く。

新噺家塩八(古今亭忘ん朝)
殺し屋兼情報屋。 催眠術を使い、相手を死に追いやることも。

小駒太夫(ジュディ・オング)
駒回しの芸人。 裏では駒を使って相手を仕留める。

安藤広重(緒方拳)
東海道の宿場の悪を絵に謎掛けし、その謎解き&悪人始末をお艶一座に依頼する。