必殺仕業人解体新書

第3話「あんたあの娘をどう思う」
脚本/野上龍雄
監督/工藤栄一
top 超個人的評価:★★★★
標的:柔術家、花輪東十郎(宍戸錠)とその妾お蝶(ロミ山田)、その弟子戸崎(伊達正三郎)
頼み人:犬を殺され、乱暴された娘の気持ちを察した中村主水
剣之介の家:焼け落ちた廃屋
やいとやの縁起担ぎ:おみくじ帳
仕業人な展開:悪人が殺したのは「ひと」じゃなくて「犬」

この第3話からしばらくは「仕業人」ワールドと言うべき「濃い」展開が続きます。
お市(テレサ野田)はギスギスした江戸での生活の中で、奉公しているお蝶のペットの洋犬と過ごす時を

唯一の救いとしていた。その洋犬が売られることになり、なんとかその代金を捻出し、買い取ろうと、自分
の体を売りに夜の街に出る。そこに通りかかったのがなんと中村主水。その縁からか、主水はお市に関心
を持つようになる。また、剣之介夫妻もお市と関わりを持つ。やいとやはやいとやで洋犬の買取り主を紹介
していた。洋犬を軸に、お市となんらかの繋がりを持つ仕業人グループ。

そんな中、お市は体を売って金を得ようとするが、金をもらえずに、戸崎という武士に乱暴されてしまう。
それにもめげず、体を売って、なんとか犬を買うお金を貯める、お市。
ところがそのことがお蝶と愛人である花輪東十郎にも知られ、体を売ってまで自分のものにしたかった洋犬
まで殺された上、花輪にも乱暴されてしまう。

体を汚され、洋犬を殺されたお市は、心配して駆けつけた主水に対して、その怒り・悲しみをぶつける。
それは主水に向けられたものではなく、”男”という存在に向けられたものである。「男なんて・・・」と言いながら
小判を投げつけるお市に対してなにも言葉をかけることの出来ない主水。

この手の話は現代でも掃いて捨てるほどありそうだけど・・・・。
その娘の悲しみを、なんと主水は仕事に掛けてしまう。このあたりが仕業人・中村主水である。「頼まれたきたぜ」
といっているがかなりあやしい。メチャクチャ人間的。
最高です、中村主水。