必殺仕業人解体新書

第5話「あんたこの身代わりどう思う」
脚本/中村勝行
監督/大熊邦也
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超個人的独断評価:★★★★★
標的:和泉屋藤兵衛(梅津栄)、和泉屋息子清太郎(佐々木剛)、益田屋長次郎(長谷川弘)
頼み人:おとせ(赤座美代子)
剣之介の家:焼け落ちた廃屋→かくれ里
やいとやの縁起担ぎ:古いたびを焼いて新品を履き殺しに行く。
仕業人な登場人物:変態SMドラ息子、死体から財布を抜き取る子供、たばこをふかす10歳ぐらいの少女。
かくれ里の住人全員

これぞ仕業人ワールド。お尋ね者の剣之介夫妻は落ち着ける住まいさえない。困った剣之介は主水に相談。
主水は奉行所の手の届かない「かくれ里」を紹介する。
そこは罪人、浪人、わけありの輩の吹き溜まり。この「かくれ里」をみているだけで気持ちがすさんでくる。
 
脚本はごくありふれた、身代わり物。バカ息子の罪を、人のいい人物をうまく丸め込んで罪人に仕立てる。
身代わりは騙されたと気付いたときには死罪になってしまうという、よくある基本的な話。
それが仕業人スパイスがふりかかると、人のいい人物は、なんとか最低の生活から這い上がろうとする人物。
さらにその女房は変態SMドラ息子の慰みものになってしまうという展開。いいんでしょうか、ここまで放送して。

亭主を殺され、自らも汚され、行き場のない怒りを亭主の遺品を持ってきた主水にぶつける。小判を投げつけ、
井戸に身を投げたおとせ。そう、3話の「犬殺し」と同じ展開です。

しかし、この話全体に広がる荒廃ムード。これぞ仕業人を満喫できます。
殺しも凄いです。殺しのテーマとともに、内職の傘を背負って出陣する主水。凄す
ぎます。全てが仕業人テイストの名作であります。